2012年12月22日土曜日

木刀の素振り三千回

早大合気道会時代、ある合宿で、多田先生の「今日は振るぞ!」の号令で、木刀の素振りが始まった。それまでは、素振りは精々20分から30分。回数にしておよそ1000回程度でした。私は、2倍の40分ぐらいかなと勝手に思っていました。ところが、40分経過しても「止め」の声がかからない。あの時ほど、目の前の時計の針の進み方が遅いと思ったことはありませんでした。1時間を少し過ぎたころから、時計の針を気にしないことにしました。そうすると、力も抜け、ただ、ひたすら振り続けられるようになり、疲れも感じなくなってきました。無駄な力が抜け、正しい素振りができれば疲れない。多田先生は我々にそのことを気づかせるために2時間も素振りをさせたのではないか、とは後から感じたことでした。振った回数はおそらく3000回を超えていたでしょう。
 木刀の握り方、構え方、目付などがきちんとしていれば、自ずから木刀は正しく振れる。若い時代にこういった稽古ができたのは何にもまして得がたい経験でした。